コロナ禍で苦しむ人を見て安心する人がいる現実

 

新型コロナウイルスが流行し、日本が異常事態に陥ってから半年が経とうとしています。

しかし日本を見ても世界を見ても、収束の兆しが一向に見えなくて、

この先どうなるんだろう?と思いながら過ごす日々。

 

 

そのような中、度々ネットで目にするようになった話題があります。

 

それは、「コロナ禍で苦しんでいる人を見たら安心する」という声があること。

中には、びっくりするくらい過激なことを言う人もいます。

 

 

普通に見たら「なんてこと言うんだ」と考えることが正常だと思います。

ものすごく不謹慎だし。

そう簡単に口にできる言葉じゃないですよね。

 

けど、実際にそう思っている人がいるし、

人にそう思わせる社会の中で私たちは生きています。

 

 

あまり誤解を与えることは言いたくないんですけど、

実は私はそのように思う人の心を、全く理解できないわけではないんですよね。

 

もちろん完全に「同意」というわけではないです。

苦しんでいる人がいるなら、その人のために行動したいし、できない時は祈ります。

それに世界や国が受ける苦痛は、結局自分の苦痛に繋がっていくのだから、

全て他人事ではないはずなんです。

一刻も早く、理想的な現実になってほしいです。

 

 

けれどそれでも「理解はできる」と私が思う理由は、

私が自分の中でどん底を経験しているからだと思います。

 

 

3年ちょっと前にうつ病を発症して、それ以来今までずっと治療中なわけなんですけど、

本当に苦痛の日々でした。

 

何もできないんです。

当然、働くこともできないので、お金もないんです。

実家には帰れず、一人暮らしなので、どれだけつらくても自分のことは全部自分でやらないといけませんでした。

精神疾患への偏見や無知からいろんなこと言われもしました。

そして、同世代の友人たちが出世したり活躍しているのをそばで見ながら、何度も羨ましく思いました。

 

今だから回復して社会復帰しましたが、

それでも抗うつ薬を減薬しながら働くって結構リスクあって、今も自分の身の上がどうなるか分からないという不安はつきまといます。

 

摂理にも世間にも取り残されていくような恐怖の中で過ごすのは、

いくら神様への信仰があっても「つらくない」と言い切ることはできませんでした。

 

 

 

そんな中、世間は「自粛生活」を余儀なくされました。

教会も、活動に関する厳しい指針が出されました。

 

 

不謹慎かもしれないですが、「周りも立ち止まってくれた」と脳に浮かんだことは事実なんです。

「私が完全に復活するまで、ちょっと待ってて」って思いました。正直言って。

 

どこに行っても自粛自粛で、遊びに行けずにストレスがたまる人たちを見ると、

最初からどこにも行けなかった自分からすると白けた気分にもなるし、

ちょっとわがまま言ってるように聞こえる人に対しては、

健康な体があるだけでもじゅうぶんじゃないか、と思ったりもします。

 

 

そんなふうに考える自分自身を見ながら、今回の話題が引っ掛かったのです。

 

もしかしたら、

何かの事情があって、自分を「底辺」だと思って生きている人たちは、

社会で順風満帆に生きる人が「底辺」に落とされる現実を見て、

「安心した」

「自分だけじゃない」

と思うのかもな、と感じています。

 

 

 

気分悪くした人がいれば申し訳ないんですけど、こんなことを考える人もいるんだな、と思ってくださいm(__)m

 

 

コロナ禍で苦しくない人はきっといないはずだから、

受けた苦痛の分だけ、幸せで平和な、理想的な世界に変わっていきますように。

 

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